「教育情報化コーディネータ 1級」の田中さんに聞く“ICT導入で目指す授業改革”

本日は『なぜICT導入は進まないのか』というとても興味深い記事を見つけたので、引用しながらご紹介したいと思います。

新学習指導要領を実現するために必要なICT環境整備の期限まであと1年。

完全に条件を満たしているといえる自治体や学校はまだまだ少ないのが実態です。

その原因について昨年日本で5人目の「教育情報化コーディネータ 1級」資格者に認定されたNEL&M代表の田中康平さんは

「予算がないのが一番の原因」とした上で、「ICT環境整備や機器を導入することが目的になっていることが問題」だといいます。

全教室に電子黒板を設置するとか、Wi-Fiを使えるようにするとか、1人1台の情報端末を導入するといったことが目的になってしまっていることで「ICT導入による学びの成果が評価できないのが現状」なのだということです。

「ICT活用が実験や実証レベルから本格、大量導入に規模が大きくなってくると確実な教育効果を挙げることが求められるようになると予測していました。しかし、教育の成果についての見方や改善方法が整理されていないままで、整備することが目的になっています。導入する教育現場に“ICTを活用してこういう学びを実現したい”という明確な目標が必要です。

しかし、ICTを使ったことがない教育現場が、自ら明確な目標を設定するのは難しいでしょう。導入を決める自治体では導入する部署と利用する部署が異なりますので、性能の評価が精一杯かもしれません。機器やサービスを納入したベンダーやメーカーもその多くが導入したらおしまい、というのがこれまでの状況です」と田中さん。このままでは、益々導入が進まなくなる恐れがあると危惧しています。

ICTとタキソノミーを使って“授業改善”

そこで、必要になるのが、自治体や学校のICT化を俯瞰して全体的に捉えてアドバイスできる人と、明確な目標です。人なら、教育情報化コーディネータのような知見のある人。そして、ICT導入の明確な目的として掲げて欲しいのが「ICTを活用した授業改善」です。

田中さんは最近、自治体や学校関係者向けの「新時代の教育とICT」と題する講演で、タキソノミー・テーブルを使ったICT活用とその評価の話をしているそうです。タキソノミーというのは、ブルームが提唱した学習目標分類(Taxonomy:タキソノミー)のことで、知識や思考力の概念に枠組みを与えるものです。

田中さんが使っているタキソノミー・テーブル

新しい学習指導要領では、「生きて働く“知識・技能”の習得」、「未知の状況にも対応できる“思考力・判断力・表現力等”の育成」、「学びを人生や社会に活かそうとする“学びに向かう力・人間性”の育成」が3本柱になっています。知識や技能はもちろんですが、“思考力・判断力・表現力”の育成を求めているところに注目です。“思考力・判断力・表現力”こそ、タキソノミー・テーブルの高次に位置する、(3)応用する(4)分析する(5)評価する(6)創造する、学びが必要になります。

こうした学びの変化について田中さんは、「20世紀の教育はほとんどがレベル1の“記憶する”が中心でした。これからは社会活動でも入試でも1から6までのレベルが求められる事になりますから、それを授業でどのように実現するかということが問われます。ICTもただ使っているだけでは学びの深化に役立ちませんが、タキソノミー・テーブルに照らし合わせながらどう使ったら高次の学びに繋げられるかという視点で指導案作りに取り組めば、学習活動の充実に役立てることが出来ます」と、授業改善への道筋を示してくれました。

ICTを活用した“授業改善”の進め方について田中さんは、「学習活動充実のためにICTを活用するという事が大切です。1人1台でなくてもPC教室で出来る。でも1人1台なら、もっと学びが深化できるという使い方です。コーディネータの役目は、ICTだけでなく教科や単元の指導案作りまで含みます。学びとICTを結びつけて“授業改善”を進めるのが私たちの仕事です」と語ってくれました。

カードを使って「タキソノミー」の説明をする田中さん

あなたも、近くの教育情報化コーディネータにICTを活用した“授業改善”を相談してみてはいかがでしょうか。

ICT教育ニュース様より引用させていただきました。

関連URL

田中さんのタキソノミー・テーブル

NEL&M